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ビンテージ オーディオでステレオペアは難しい! [AUDIO]

ヴィンテージオーディオ機器を状態の揃ったステレオペアで所有する事は、非常に難しい事です。特に、モノラル時代の製品は難易度がアップします。

今のように製品サイクルが短い時代ではないので、同じ型番の製品は数年以上にわたって製造されています。たとえば、以前、私が紹介したイソフォンのPH-2132E(初期のものは型番が違います。)という同軸スピーカーは、モノラル時代からステレオ時代にかけて、30年ちかく、カタログに載り続けていました。

そういう長い製品サイクルの中で、微妙な改良やパーツの変更が行われます。例えば1950年製造の製品と1951年製造の製品では、(経年変化分を無視しても)同じ型番の製品でも中身が違い、音が違い、厳密な意味でのステレオ・ペアとして成り立たなくなると言った事が起きるのです。

私のPH-2132Eは運よくそろっていましたが、ツィータの仕様は何種類かあるそうです。

また、ステレオ時代の製品を2台セットで販売されたものでも、途中で一方を修理した事により、仕様が揃わなくなっている事があります。(純正修理でもありえる事です。例えば、古いJBLのスピーカーは、今でも修理できますが、ある程度以上ふるい仕様では修理できないのは、ご存知のとおり)

私が、General Electoric(GE)の同軸スピーカーを入手したときも、珍しいウーファーのコーン紙の形状(逆方向のカーブのコーン紙で、私はお椀型と呼んでいます。)違いからステレオペアにするのに、3本から選別する必要がありました。時期によって、ウーファーのセンターキャップの仕様が異なるのです。ウーファーが隠れて見えないスピーカーなので、手に入れて分解してからではないと、揃っているかは確認できません。同軸はパーツの数が多いので組み合わせパターンが多く、ペア取りの苦労が倍増しますから3本から1ペアとれて、運が良かったと思います。



GE A1-400 (A1-401という色違いの後継モデルもあります。)

他の私の経験では、あるメーカーのスピーカーを仕様が2種類ある事に気づかぬまま数年間かけて、1本ずつ6本集めました。最近、棚卸をしたところ、奇跡的に3ペア揃い、有効に利用してくれるであろう友人に1ペア譲る事が出来ました。一方、ALTECの405Aは、仕様違いを意識していたにもかかわらず、6本で2ペアと2本になってしまいました。

アンプなどは、パーツ類が多いので、ペア取りが大変だと思います。LCR類は当然として、トランスの仕様が変更になる場合もあります。

と、このように古い時代のオーディオ機器でステレオを揃えるのは大変な事なのです。私が懇意にしている販売店は非常に良心的なので、多くの在庫を抱える事により、状態の揃ったものをペアとして販売してくれます。在庫のリスク分、売りっぱなしより高くなるのは当然ですよね?


彼によると

> ヤフーで○○○の△△△(←モノラル時代の高級真空管アンプ)ペアで買ったら凄かったよ。

> シャーシが前期後期で、PTが片側社外、CHそろって後期、OPTは片側□□□(別仕様)…

> うちは部品取りで使うから良いけど、手にしたのが一般の人だったら

> 可愛そうな状態だね。

> 最近は状態凄いのが多い気がする…



といった、状態だったそうです。私もそうですが、多くの人は知識が無い為、そういう状態と言う事にすら気づかないのかもしれません。

ペアと2個では、まったく意味と価値が違いますから、販売店やオークション・個人間売買で流通しているモノが、ちゃんとしたペアになっているか、疑って掛かったほうが良いでしょう。


■おまけ


某中古オーディオショップの販売済商品写真より、TELEFUNKENのコンソールスピーカー RS-1

注意深く見てください、左右でスピーカーの音だしの穴の開き方が違うのがお分かりでしょうか?(左側は、一番上と一番下の段が完全に横一列に6個の小穴。右側は、上下の段の中央2個が膨らんだような位置にあいています。)これも、生産期間が長かった製品で、複数のスピーカーユニットが使われていました。私が見たことがある範囲では、このスピーカーの中身のスピーカーユニットは異なるはずです。

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