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TANNOY 3LZのお話 [AUDIO]

ヴィンテージ・タンノイの中で、一番入手しやすいものが、25cm同軸の3LZでしょう。タンノイの同軸スピーカーは、BLACK → SILVER → RED →GOLD → HPDとモデルチェンジしていきますが、RED, GOLD期の25cm(10インチ)同軸の名称が3LZです。勘違いをしている人が多いですが、3LZはスピーカーユニットの名前で、スピーカーシステムの名前ではありません。

MONITOR RED時代の3LZの正式名称はLSU/HF/IIILZ, MONITOR GOLD時代がLSU/HF/IIILZ/8で、型番の8から判るようにGOLDからトランジスタアンプと組み合わせるようにインピーダンスが8オーム化されているのがもっとも大きな変更点です。

一般的な密閉箱入りの3LZは、3LZ in Cabinetと呼ばれるモデルで、1961年に発売されたタンノイ初の密閉型スピーカーです。1958年のステレオ時代到来にあわせて、TANNOY社でも小型のスピーカーの要求に答えたのでしょう。

このように、3LZはバックローデッドホーン用のスピーカーユニットではありません。3LZの後継にあたるHPD295を搭載した小型バスレフスピーカーは英国ではCHEVENINGの名前で発売されましたが、日本では何故か3LZの名前で販売されています。

古いタンノイというと、真空管アンプとの組み合わせを連想する人が多いかと思いますが、MONITOR GOLDは上記の様に、トランジスタアンプとの組み合わせを意識したインピーダンスのスピーカーユニットなので、トランジスタアンプとの相性も良好です。英国内では時期的にLEAKのSTEREO30やQUADの303, 405との組み合わせが多かったのではないでしょうか?3LZのユーザーで、トランジスタアンプとの組み合わせを試したことがない人は、実験してみては如何でしょう?また違った世界が聴こえると思いますよ。

スピーカーユニットの口径の割りに小型のキャビネットだからでしょうか。3LZの箱は非常に鳴りが大きいのです。私が所有する3LZ(GOLD)は、英国から取り寄せた英国製キャビですが、極小音量で鳴らしているのに、裏板に手を触れると、かなり振動しているのがわかります。タンノイの音作りと知っているから安心できるのであって、もし、自作スピーカーがこんなに振動したら、不安になって箱を補強することでしょう。同様に箱鳴りを利用していると言われたHarbethのHL-Compact等と比べても、はるかに箱が振動しているのに驚きました。

1960年代の基本設計のスピーカーとしては小型ですが、聴感上の中低域の量感が、比較的しっかり出ているのは、箱鳴りを音作りに利用した効果です。箱の素材や造りが異なる国産箱からは、残念ながらこの音質は期待できません。(この時代のタンノイは、システム販売したスピーカーと単品売りしたものでは、ネットワークの設定が異なっていたと言う説もあるようです。)

P.S.
IIILZを、英国では111LZとも書きます。

TannoyのIIILZ

個人的には、タンノイの外観は、この時代のシンプルなキャビネットデザインが好きです。


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