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QUAD 50Eを使う [AUDIO]

冬の間は、EL34を8本使ったEAR534をメインに使用してきましたが、これから暑くなっていくのに、発熱量の大きいアンプを使うのは、あまり合理的ではありません。

そういったわけで、夏の間に使用するアンプをどうするかな?と、悩んでいた所に、QUAD 50Eのことを思い出しました。数年前に専用入出力端子が付属しないものを中古で安価に入手したものの、その後、コネクタの入手に時間がかかり、メーカーメンテナンスを行って、動作確認のみで、しばらく使っていませんでした。それを、専用ケーブルを音質の良いケーブルで作りなおして、本格的に使用できる環境を整えました。

# QUAD 50Eは40年以上昔のアンプです。もし、ノイズ無く音が出ていても、あちこちに部品の劣化があるはずです。発火事故等のリスクがあるので、自分で電子回路の修理が出来ない人は、プロによるメンテナンスを受けてから使用してください。ネットを検索するとQUADのメンテナンスを請け負う業者もいますが、あまり良い修理でない業者も居ますし、ロッキーインターナショナル経由の純正修理と比べて、コストがはるかに高いものも見受けられます。気をつけましょう。

QUAD 50Eは英国のQUAD社が1965年に発売した業務用のモノラル・トランジスタアンプです。QUADの製品としては、初めてのトランジスタアンプ(初めてのトランジスタを使った製品はFM TUNER用のマルチプレクサ)で出力50W。特に低能率や低インピーダンスなスピーカーと接続するのでなければ、充分な出力です。

すでに業務用として広く使われていたQUAD IIの置き換えの意味もあったのか、50Eの筐体の大きさはQUAD IIとほとんど同じ大きさです。BBCモニタースピーカーの一部には、このアンプを格納するための空間が用意されているものもありました。

DSC03298.JPG


業務用として、広いスピーカーのインピーダンスに整合させる為、真空管アンプの様に出力トランスを搭載しているのが特徴です。インピーダンスの切り替えは、専用の出力コネクタの配線で、50E本体の出力トランスの結線を替えることにより行います。BBCやアビーロードスタジオ等、英国の放送・業務用の第一線で使われたアンプです。一方、日本ではシェリロ貿易が輸入し、一般のオーディオファンも好んで使っていたようです。

1968年に、QUAD50Eと同じサイズの筐体にステレオアンプを組み込んだのがQUAD 303で、これは民生機として発売されています。(若干仕様を変更して業務系の現場で使われた実績もあるようです)

今回、私のオーディオルームで組み合わせるスピーカーは、基本設計は同時期(私のモノは1970年代のモノだが)のタンノイのスピーカーをBBCパテントのキャビネットに入れたスタジオモニター LOCKWOOD MAJOR HPD385。まさに、純正組み合わせです。プリアンプには、QUADの現行製品の真空管プリアンプ QC24Pを使用しました。新しい真空管プリアンプと古いトランジスタアンプの組み合わせです。

これが、私が考えていた以上に良い音でした。勿論、メンテナンスをしていて、コンデンサ等は現在の性能のモノですが、半世紀前の基本設計のトランジスタアンプから、こんなに歯切れの良い音がするとは思いませんでした。トランス付の鈍った音の印象は有りません。音の見通しもよく、モノラルアンプの良さが出ています。現状、低域はちょっと不足気味かな?電源周りなど、今は設置の都合で間に合わせなので、もっと改善出来ると思います。後の303は、柔らかい音なので、同系統の音かと思っていたけど、だいぶ違う様に思います。QUADというと405で使われたカレントダンピング回路の印象が強く、それ以前の回路のアンプを軽視していたかもしれません。

発熱量も少ないし、今のところ、今年の夏アンプはこれでいこうかと思ってます。

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