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TELEFUNKEN Stereo Allvox Strahler RS1 or RS3 [AUDIO]

このスピーカーは、ネット上でも、多くの人からRS1と呼ばれていますが、私の手元にある元箱には、Stereo Allvox Strahler RS3の記述があります。

1962年のTelefunkenのカタログには、RS3という名前と写真が出ていました。年度不明ですが、ドイツのラジオに関する情報を集めているサイトには、全く同じデザインのスピーカーにRS1と型番の書かれた印刷物掲載されていたので、一見、見分けのつかないデザインで、RS1とRS3の2種類のスピーカーが存在したことは間違いないようです。

DSC01605.JPG

私のコレクションより。(ちゃんと、2本揃ったものを持ってますよ^^;)

これら、ドイツの小型フルレンジが搭載された可愛らしいデザインのスピーカーは、元々はモノラル時代にメインの電蓄(今で言う、オーディオセット)に、追加スピーカーとして組み合わせて音に広がりを演出する為に使われていました。ところが、1958年にステレオ放送やステレオレコードが発売されると、この技術がステレオに転用されるようになったのです。

TelefunkenのRS1やRS2はステレオ時代のものなので、1958年以降にRS1というスピーカーが発売されたことが予想されます。何らかの仕様変更を経て、1962年の時点では、外見上は同一のRS3というスピーカーにモデルチェンジしたのでしょう。

私は、研究用に複数の仕様のスピーカーを集めました。大別すると、
・塗装が薄い、イソフォンOEMのアルニコマグネット、スピーカーケーブルが茶色で細い (写真左)
・塗装が濃い、DEWのフェライトマグネット、スピーカーケーブルは比較して太く白い外被がある。RS3の元箱に入っていた。(写真右)

といった違いが有ります。塗装についてはロットによって異なる可能性がありますが、スピーカーユニットの提供元が異なり、磁気回路のタイプも変更になっています(が、驚くほど、音は同一です)

ドイツのスピーカーユニットの設計思想は、アメリカともイギリスとも異なり、一般家庭で必要充分な音量で過不足ない高音質を得る様にできています。軽い振動板、適切な大きさのマグネット、4~10W程度の小さな耐入力の小型スピーカーを多く採用しています。その結果、非常に歯切れが良く、通る音が楽しめます。見た目は安っぽいですが、音は非常に高品位のものです。組み合わせるアンプもあまり出力の大きなものではなく、6BQ5(や、同程度の規模の真空管)のシングルやプッシュプルアンプが中心だったようです。

私の手元にあるスピーカーの外見の可愛らしさと、小生意気な音質を聴いて、多くの友人がこのスピーカーを入手しました。その関係で10ペア以上の中身をチェックすることが出来ました。アルニコタイプについては、イソフォンOEMしか見たことがありませんが、フェライトマグネットには、少なくとも2種類のバリエーションがありました。オリジナルのユニットが壊れたのか、Jensen(アメリカ製なので、音は全く異なる)を無理やり取り付けてるものがあったのは、ビンテージオーディオの怖いところです(苦笑

あくまで仮説ですが、RS1が初期のアルニコタイプ、RS3が後期のフェライトタイプなのかもしれません。

telefunken13.jpg
 
この時代のドイツ製楕円フルレンジは、低音は薄いですが、非常に魅力的な音を出してくれます。 音の品位はFOSTEX辺りとは比較対象になりません、耐入力が小さいので、大きなポップノイズが出るアンプやDC漏れが大きいアンプは避けましょう。当時の標準的な鳴らし方に倣うのであれば、6BM8や6BQ5クラスの小型真空管のシングルやプッシュプルアンプ、出力3~5W程度のミニアンプを組み合わせるのが良いと思います。
 

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