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バイワイヤリング接続と通常接続の音の違い [AV FAQ]

バイワイヤリング対応のスピーカーとは、たとえば2WAYのスピーカーの場合、スピーカー端子がツィータ用とウーファー用に分かれていて、ツィータとウーファー用にそれぞれスピーカーケーブルを接続できるようにしてあるものです。

アンプ側は2組のスピーカー端子を一つのスピーカー端子に接続する形になるので、特にバイワイヤリング対応のアンプの条件はありません。

バイワイヤリング接続図



スピーカーケーブルの接続にバイワイヤリング方式を選択できるスピーカーについて、接続方法とメリットについて考えてみましょう。 スピーカーケーブルのバイワイアリング接続が流行りだしたのは、1990年代後半以降のことだったと思います。私の記憶では、CelestionのSL600や700の改良バージョンで導入されたのが印象的でした。日本国内では東芝が実用新案を出していました。

アンプ側のスピーカー端子は通常1組ですから、アンプの端子には2組のスピーカーケーブルを接続し、それぞれのスピーカー端子につなげます。2組のスピーカーケーブルを使用しなくても音が出せるよう、通常はツィータとウーファーの端子間を専用の金属板(バスバー)で導通しています。バイワイヤリング接続をするときは、バスバーを取り外します。

詳しくは、 http://rasenkan.blog.so-net.ne.jp/2006-11-26 こちらにまとめました。

スピーカーを買うときに、バイワイヤリング接続可能である事を必須条件と考えるべきでしょうか?もともと、なぜこのエントリーを書いたかというと、気に入ったスピーカーがあるのに、バイワイヤリング対応ではないので、購入を見送ろうかという質問をネットで見かけたからです。

バイワイヤリングは、スピーカーの高域部分と低域部分の相互干渉を減らすことが出来るのがメリットといわれています。ウーファーのボイスコイルによる逆起電力がツィータに与える影響を低減できるという話です。バイワイヤリング接続をした場合、高域の解像度の向上などの効果を期待できる事は、私も自らの経験で確認しています。かといって、バイワイヤリング接続しなかった時の音が駄目というわけではありません。ですから、貴方が聴いて音が気になったスピーカーがバイワイヤリング対応じゃなかったからといって、選択肢からはずす必要はありません。ただし、将来的にバイアンプ駆動を考えている場合は、その限りではありません。

一例を挙げると、Sonus Faber社のminimaは、オリジナルはバイワイヤリング接続対応のスピーカーですが、最近発売された復刻版のminima vintageはシングルワイヤリング接続専用になっています。このことからも、単純にバイワイヤリング=高音質や上級モデルという事ではないと、理解していただけるのではないかと思います。 

また、新規導入の場合も、われわれがオーディオセットとして使用する場合、コストも含めて現実的な使用条件を考慮に入れる必要があります。たとえば、今まで1000円/mのスピーカーケーブルを使っていた人が、バイワイヤリングにするということは、追加で同じケーブルを買うということになりますね。それならば、もともと2000円/mクラスの1ランク上のスピーカーケーブルをシングルで使ったほうが良いかもしれません。

ケーブルによる音質の違いを知っている人は、ツィータとウーファー部分に違うケーブルを使う ~ ツィータとウーファーに違う音を入力する ~ ことに違和感を感じるのではないかと思います。少なくとも私は感じます。同一メーカーのランクの上下のケーブルを使うといった記事を見たことがありますが、必ずしも、メーカーのラインナップで音質が完全にそろっているなどということはないでしょう。


すでにバイワイヤリング対応のスピーカーをお持ちで、現在は、シングルワイヤリング。バイワイヤリングの効果を知りたくてスピーカーケーブルへの投資を悩んでいる場合、スピーカー1本で実験することをお勧めします。使用しない片チャンネルのスピーカーケーブルを利用すればよいのです。これならコストもかかりません。モノラルのほうが音の変化はわかりやすい事もあります。

シングルワイヤリングでつなぐ時、忘れないで欲しいのは、ツィータとウーファーの端子をつなぐ棒状の金属(バスバー)をそのまま使わないこと。たいていの場合、標準のバスバーは音質的に考慮されたものではありません。良質のジャンパー線を使ってください。一番簡単に実現するには、現在つかっているスピーカーケーブルを10cm少々切り取って、それをバスバーの代わりに利用すればよいのことです。

私なりの結論ですが、少なくとも、あなたが音を聴いて気に入ったスピーカーが、バイワイヤリング接続じゃなかったからといって、購入を見送る必要はありませんし、あわててスピーカーケーブルを買い足しに走る必要もありません。


まずは、現在使用しているスピーカーケーブルの末端処理をしっかりしなおすことが、第一歩ではないかと思います。

オーディオテクニカのAT6301は、安価ですが、比較的音質変化の少ないバナナプラグです。

オーディオテクニカ ソルダーレスバナナプラグ AT6301

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audioquestのバナナプラグは接点がシンプルな構造で接触面積を広くとることができ、音質的なメリットがあります。

audioquest(オーディオクエスト) バナナプラグ SG-BFA/4(4個1組)

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Y型端子(スペード端子)のほうが、一般的なスピーカー端子に強く締め付け、接触抵抗を減らすことが出来、音質的に有利な場合が多いでしょう。ただし、スピーカー端子の間隔が狭いアンプやスピーカーでは、使いづらい事やショートのリスクがあるので、バナナ端子のほうが良いでしょう。特にAVアンプの場合は、バナナプラグが必須とおもいます。

AIRBOW Yラグ F5.5/8/CR(4個入)

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AIRBOW Yラグ F5.5/6/CR(4個入)

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小柳出電気商会 Yラグ端子 4個1組 SPYT

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オヤイデの圧着タイプのYラグ端子は価格も手頃、6mm/8mm間隔を共用できるので、おすすめできます。

バイワイヤリングに使うには、下記リンクにあるような、4芯タイプのケーブルが便利です。



 




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コメント 5

Mammoth

ボクもバイワイヤリング可能なスピーカーを使ってますが、シングル/バイ 両方試した結果、あえてシングルを選んでます。理由はジャンパー線にこだわるほうが音質調整の余地が多くなるためです。
今は AET SCR-ACの線に自分でYラグを付けたものを使ってます。曲げにくい(曲げても強い力で元に戻ろうとする)ので使い勝手は今一つですが、音質は良かったです。
by Mammoth (2005-06-11 18:47) 

M裏論

私はバイワイヤにできるスピーカーはバイワイヤで使用することが多いです。
それは、同じケーブルが沢山あるから・・・・・・
2年に一度、スピーカーケーブルを換えてみたくなるので同じ旧ケーブルが余る。
押入れに入れておくと「勿体無いお化け」が出てきそうなので、有効活用としてバイワイヤにしています。
音がスッキリする効果も若干あります。
(バイワイヤ用に2セット購入したことはありません)
by M裏論 (2005-06-15 08:46) 

YAS

お二人の使い方は、結果としては異なりますけど、バイワイヤ仕様のスピーカーに対して、非常に健全なものと思います^^;

ほんと、たまに、バイワイヤリングじゃないと ○○ は鳴らしきれないとか、△△はバイワイヤじゃないから、購入を見合わせた。という人がいるんですよね。
by YAS (2005-06-18 02:39) 

初めての。。

タンベリーHEを数ヶ月前に購入し100時間(連続)のエージングにキン○
○リーのspケーブルをシングルでしていました。取説を読んでいたらバイワ
イヤリングの方が音質向上を望めると書いてありました。仕方なく妻に内緒
でもう1本spケーブルを購入しました。非常にクリアな音質になりました。友
人にA-60で、バイアンプを組んでる方がいますが・・・1/8程度の出費で、
個人的には満足してます。
by 初めての。。 (2006-08-30 10:56) 

YAS

よい結果が得られたようで、よかったですね。

バイワイヤリングの環境が出来ているのであれば、バイアンプの実験も簡単ですから、一度試してみては如何でしょうか?

安いもので結構ですから、音声分配ケーブルをつかって、音声をアンプの左右に分配し、モノラルで実験してみてください。

スピーカーを片方だけ使ったモノラルによる音質チェックというのは、意外と有効です。
by YAS (2006-08-31 02:09) 

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