吾妻ひでお 失踪日記が売れている [COMICS/ANIME]
私と吾妻ひでおの、出会いは20年ほど前。高校生2年生の頃だ。同級の友人Nに紹介された。最初に読んだのはなんだったろうか…
すでに多くの著作は新刊では入手難であった。学生時代、時間だけは腐るほどあったので、古本屋周りをして徹底的に探したのを覚えている。
北海道出身の漫画家として、なんとなく親近感も受けたなー。
いま、吾妻ひでおの復帰作 失踪日記が売れている!4月5日付けの北海道新聞によると、ただいま9万部とのこと。
↓amazon.co.jpで、4/5現在、和書の売り上げ2位!
吾妻ひでおは、1970~1980年代、コミックの世界にSFと美少女と不条理を持ち込んだ。
現在のアニメ、コミック会の一線級のクリエーターに対し、直接、間接ともに、絶大な影響を与えた作家であろう。萌えの元祖、みたいな書評を見たことがあるが、ちょっと違うような気がする?1970~80年代オタクは、今のオタクよりはインテリだったと思うから。みゃあちゃんは、10年以上前にルーズソックスだったけど、渋谷を闊歩していた変な生き物みたいに、頭悪そうじゃないしね(笑
ギャグ作家の宿命か、この20年ほどは精神的にも非常にキツイ状態になっていたようだ。同時代の作家として一世を風靡した、鴨川つばめは、結局、消えた漫画家になってしまった。
2度の失踪 自殺未遂 ホームレス生活と、アルコール依存症による強制入院を経験したとの事。他の作品で妙に画が荒れているのが有ったのも納得した。そのハードな日常が描かれているのが本作。
この、失踪日記を見て、これらのハードな状況を乗り越え、天才が完全復活したと確信した。上記の、非常にキツイ状況を、実に客観的にクールな視点で描き、しかも“笑える”作品に昇華しているのが兎に角 凄い。
さしづめ、吾妻ひでおは、帰ってきた漫画家だ。
巻末の対談で、とりみき が書いているように、作画においても、最盛期のレベルを取り戻していると思う。
本書では、3ヶ月に及ぶアルコール依存症での入院生活の最初の一ヶ月でで終わっている。早く続きを読みたい!
# くれぐれも、断酒でお願いします。先生!
(Amazon.co.jpに書いた書評を推敲
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