JBL 2115のエッジ張替え [AUDIO]
2115はJBLが1971年にプロ機器に参入した時に発表になったスピーカーで、有名なJBL LE8Tのプロユース版です。コーン紙にはLE-8Tにある白いアクアプラス(ランス・ア・プラス)の塗布がなく、通常の黒いコーン紙そのまま。特性的には、白いコーンのLE8Tのほうが優秀なのでしょうが、私は、この黒いコーン紙のタイプの音のほうが好ましく感じています。
この時期のJBLの製品に共通して、エッジはウレタン系のものなので、10年くらいでエッジが加水分解し消失してしまいます。私がジャンクで安く入手したのも、そういった状態のものでした。
そのほかにも、センターキャップのさびや、コーン紙に若干のダメージがあり、お世辞にも状態は良いとはいえないのですが、値段が値段なので、そこは我慢。
交換用エッジキットはアメリカの業者から購入しました。接着剤つきで30ドルくらいだったと思います。ネットで検索すれば、すぐに見つかりますから、興味のある方はご自身で探してみましょう。
古いエッジはぼろぼろで簡単にはがれていきますが、エッジの裏に張り付いた部分とフレームに張り付いた欠片は、綺麗にはがすのが大変。小型のデザインカッターナイフなどを使って、注意深く、作業してください。
フレームの部分のゴムキャップは溶剤を染み込ませて、数分おいて接着剤が柔らかくなってから、マイナスドライバーの等を使ってこそぎとります。コーン紙のエッジ裏の部分は、溶剤を染み込ませた綿棒で丁寧に取り除く。コーン紙を傷つけぬように、振動系のセンターがずれぬように細心の注意を払います。
この手の細かい作業の好きな父が手伝ってくれたおかげで、作業はスムースに完了。
この状態でコーンを軽く指で押し、ボイスコイルのタッチがなく、スムースに押し下げられることを確認します。もし、振動版のセンターがずれていた場合、センターキャップを取り外し、ボイスコイルのギャップにスペーサーをいれてセンターをとり、エッジを接着した上で、スペーサーを取り外し、センターキャップ再接着となります。
エッジ接着用に付属していた接着剤はPOWER POXY社のSTIX-ON CONTACTというクリアタイプのもの。1分くらい指で押さえるとほぼ固まり、1日で完全に固化しました。なかなか使いやすいものでした。日本国内でも入手できるものなのだろうか?エッジの接着は、注意深くやれば特に失敗することは無いと思います。
JBLの代理店のハーマン・インターナショナルは面倒見の良い会社で、今でもこのスピーカーの修理を行ってくれるようです。ただし、振動系ごとの交換になる為、修理代は技術料と部品代をあわせて5万円/本ほど。安くはありませんが、手間や補修部品の保存の事を考えると当然の価格でしょう。(ハーマンの肩を持つわけじゃないけど、手間賃のまっとうな評価をせずに、ボッタとか、言わないように。)かといって、すべてのユーザーが古いスピーカーの修理にこれだけのコストをかけるかといわれると別問題。私も、これがJBLクラスじゃなかったら、「捨てたら?」と、冷たく言い放ちます。
エッジ交換の修理は、いくつかの業者が1本1~2万円程度(スピーカーの口径によって異なる)で引き受けています。(2115のような8インチだと1万円が相場か?)手間や失敗のリスクを考えると妥当(もしくはリーズナブル)な価格と思います。ただし、業者の値段をとるのであれば、エッジ交換後のf0チェックくらいは期待したいところですね。
自信のない方は、業者に依頼することをお勧めします。多分、業者にも上手い下手、修理内容のよしあしはあるはずですが、私は未経験なので、ご紹介できません。
スピーカーキャビネットは28リットル(およそ1立方フィート)の小型密閉箱を作えりました。テスト用なので、ラワン合板で安く適当に(笑
LE8の最初期のカタログに1立方フィートの密閉箱に組み込んだときの性能の良さを謳っていること、2115のカタログでも1~2Cuftの容積が推奨されている事から低域レンジより場所をとらない事を優先した。吸音材の量の調整等の音のチューニングや箱の仕上げは今後の課題。次の休みか?
# 普段、自宅では8インチ用には、ヴィンテージのEVのクリプッシュタイプのバックローデッドホーン型キャビネットのBaronetを使っています。
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おはようございます。
JBL 2115のエッジ張替え」を拝見しました。
「フレームの部分のゴムキャップは溶剤を染み込ませて、数分おいて接着剤が柔ら
かくなってから、マイナスドライバーの等を使ってこそぎとる。」
この時にお使いになられた溶剤は、何をお使いになられましたか?
御教示戴ければ幸甚です。
by (2008-04-05 09:17)
特殊なものではなく、ごく普通のシンナーを使用しました。
換気にご注意ください。
by YAS (2008-04-05 12:31)